『黄金の太陽 開かれし封印・失われし時代』 レビュー
GBAで最高のRPGと言われている「黄金の太陽」。
2001年に「開かれし封印」、2002年に「失われし時代」が発売され、
携帯機としては異例のスケールのゲームでした。
ストーリーがものすごいボリュームであり、データーコンバートもでき、
ジンという存在、サテュロス、メナーディ、カースト、アガティオといった
プロクスの民が絡み、携帯機RPGの概念を覆したゲームと言えます。
ただし、このゲームはあと1歩、いえ、3歩ぐらい必要だったのではないかと思います。
それは以下の点。
と、「ここを直さないでどうする」点が多かったのも残念です。●とにかく会話のテンポが悪い。テンポというよりも
セリフ回しが回りくどすぎる。言わなくても良い部分の描写まで
繊細に喋らせてしまったことで、会話自体が冗長になっている。
長い割りに、終わってみると、ストーリーをほとんど覚えていなかった。
加えて、会話に出てくる2択には意味があるのかという疑問。
制作者が失われし時代のインタビューで
「前よりも快適性を考慮して作っている」と発言していたが、
快適とは言いがたい。
↓
『黄金の太陽 失われし時代(とき)』開発スタッフ インタビュー
●船を手に入れたはいいものの、次にどこへ行って良いのかわからない。
これはワールドマップがあまりにも広すぎるため。
失われし時代では、前作より5倍広いマップとのことだったが、
あまりにも広すぎる。
●バトルで、すでに選択済みの敵キャラが他キャラによって倒された時、
別の敵に攻撃しないで防御するという点。
●ジンの組み合わせによるエナジー習得がかなり面倒。
毎度毎度、キャラクターのジンを入れかえて進むのはストレス。
●ダンジョン全域でのパズル要素はマイナスだったのでは。
エナジーを駆使し、活路を切り開くアクションは画期的だが、
攻略が無駄に長くなるためストレスを感じた。
●エンカウント率が高い。特に船を手に入れてからのストレスは異常。
船の速度が2倍になっていればさほど感じなかった。
●エナジーや特殊技のエフェクトが長い。召喚はともかく
通常戦闘で最高位のエナジーを使うと処理落ち
(もしくはそれが普通の速度?)する。
特に最後、黒幕のアレクスを消息不明にさせたまま、続編を作らなかったのは
王道RPGだっただけに、最後はスッキリと終わらせてほしかったですね。
いきなり否定から入りましたが、ちゃんと前後編クリアしました(笑)。
いや、普通に面白かったです。特にストーリーの重厚さは圧巻。
よくあの容量にこれだけの内容を詰めこめたなと思うくらい
壮大なストーリーでした。
そして、BGMが最高ですよBGMが!
バトルテーマなどは今でも語り継がれていますよね。
本当にバトルテーマは完成度や盛り上がりがすさまじい!音楽を作ったのは、「ヴァルキリープロファイル」や「スターオーシャン」
そして「テイルズオブシリーズ」の桜庭統さんです。
お気に入りなのは、前後編のバトルテーマ、ジャスミンのテーマ、
ヴィーナス灯台のテーマ、サテュロスとのバトルテーマですね。
うーん、やっぱり会話のテンポが惜しかったなあ・・。
もうちょっとスムーズに進むだけでかなり評価が分かれたんじゃないでしょうか。
続編、本当に作らないのかなあ。あくまで個人的観点からですが、
上記の点を改良してDSで出してくれれば、あと1歩どころか
ぶっちぎりで歴史に残るゲームになるでしょう。
2010年、続編が発売されました。
色々と批判もしましたが、ゲーム機の時代で見ても
黄金の太陽 漆黒なる夜明け
任天堂 2010-10-28
売り上げランキング : 276
Amazonで詳しく見る by G-Tools
GBA中期にさしかかろうとするあの時期にこれだけの作品を出せたのは
正直、凄い!と思いました。