「HUNTER×HUNTER」30巻 感想 - 書籍
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「HUNTER×HUNTER」30巻 感想

2012/04/06 編集
書籍






4月4日、HUNTER×HUNTER30巻がついに刊行!
近所の本屋さんではレジに置いてあり、売り切れ間近のように見えました。

もう少なめになっていたコミックを店員さんに頼んで持ってきてもらい、家に帰ってドキドキワクワクしながらページをめくりました。

なんといっても、この30巻で約10年にわたって描かれてきたキメラアント編が終了するのです。私でなくとも、当初からハンタを読んでいた人にとって胸中は穏やかではなかったでしょう。

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■ キメラアント編終了

さっそく感想ですが、蟻編を終わらせるには、やはりこれしかなかったんでしょう。
一度、大爆発に巻きこまれて瀕死の重傷を負った王は復活。
この無敵の生物が死ぬには、薔薇毒による無自覚の感染(内部からの破壊)しかなかった。
パームが「もう大丈夫」と前巻最後で言っていた意味はこのことだったんですね。

序盤でシビれたのはウェルフィンの一言。あの一瞬で出た言葉が「コムギ・・?」ですよ。
あそこでこの言葉を喋らせるかっていう。結局、この一言で王は元に戻りますが、
キッカケを与えたのがウェルフィンとは誰が想像したでしょうか。
プフはどうということはない場所で死にますが、あまり悲しくはありませんでしたね。
プフは策を弄しすぎて自滅した印象が強かったので。
とはいえ、コムギ再会時に王は「世には過ぎた者達だ・・」と言っていたのが
感慨深かったですね。本当の意味でメルエムは王になったんだなあと思った言葉でした。

さて、ついに王はパームと会い、コムギと再会し、軍儀を再開します。
ふと思ったんですが、「軍儀」ってっていう字とっていう字が合わさってますよね。
反対に、蟻という字は、が合わさっています。
もしかしたら、「軍儀を通じて虫から人へ」という意味をこめて、作者はこの遊具の名前を
決定したのではないかとさえ思ってしまうのです。メルエムは「虫の義」をコムギとの勝負で
「人」に進化することができたという描写ではないでしょうか。

メルエムは自分が毒に侵されていることをコムギに伝えますが、
コムギはメルエムと共に逝くことを決意。あそこの場面、「不束者ですが・・・」という言葉からも、
妻としてずっと側にいることを決めたと思われる、コムギの心中が描かれています。
やはりこの漫画は「心」を描くのがバツグンに上手いですね。架空の世界の物語なのに、
いかにも現実で起こっているかのような描写は他の追随を許しません。

最期はコムギに抱かれながら絶命するメルエム。
あの数ページの黒一色にセリフだけが交錯するというコマは、
2人とも目が見えていないということを表しているのでしょう。
最後の最後で、メルエムのコムギに対する呼びかたが「貴様→お主→お前」に
変わっていったのも泣けてきました。

コムギの死は本当に悲しいものでした。
「ワダすもすぐ、いきますから・・」とメルエムの亡骸を抱えて語りかける彼女の姿は
まさに母性の塊であり、メルエムが欲したものだったのでしょう。
愛する人に抱かれながら息絶えるメルエムは、虫ではなく王でもなく、ひとりの人でした。

ううむ、やっぱりこういう終わらせかたしかなかったんだろうなあ。
私はどこかでジンが出てきたりして解決するか、ジャイロがどこかで絡んできて
メルエムを倒してどうたら・・っていうストーリーを予想していたので、完全に予想外でした。
でも終わってみれば、これでよかったのかなと。



■ 選挙編

てっきり蟻編を終えて、あとは終了に向けて進むのかなと思っていたら、
次に待っていたのは、まさかの会長選挙!
会長が認めた12人のハンター、「十二支ん」の登場、そしていともフツーに出てきたジン(笑)。
ゴンのことを知っていたんですね。助けにも来なかったのはやはりゴンの親父ですね。
いきなりのジン登場でしたが、裏をかいたり洞察力も十二支んの上を行っていたり、
さすが世界でも5本の指に入るハンターだけありますね。

そして行われた投票!ここでいままで読んできた人にサプライズが!
ハンター全員が投票所に来るんですが、なんと懐かしい顔ぶれ!

200ページ下コマ右上から

ハンゾー、サトツ、ブハラ、メンチ、リッポー、リッポーの横にいた人、
第3次ハンター試験終了時のお姉ちゃん、ハンター試験立会人の皆さん、
キルアの家の敷地にいた賞金首ハンター、ウイング、バショウ、ジェイトサリ、
リンセン、クラピカの師匠、ツェズゲラ、キルアのハンター試験時のおっちゃん、
ベラム兄弟、ハガクシ、ツェズゲラの仲間、ゴレイヌ、リスト、ドゥーン、センリツ、
ビスケ、ヒソカ


もう2度と出てこないと思われていた一次試験官たちまで登場するとは
懐かしさもひとしおでしたね。
まあ選挙方式が「ハンター全員参加」になっているので、全員来るには来るんですが、
ちゃんと描いてくれたのが嬉しかったですね。ここにポックルとポンズもいれば・・。
ブハラとかメンチなんて2巻でちょろっと出てきた程度だったのになあ。

コマを見ても「誰!?」と思った方のためにもう少し詳しく説明します。

リッポーの横にいた人
 第4次試験でカードを受験生に引かせるとき、「これからカードを引いてもらう」
 といった箱の横に立っている。

第3次ハンター試験終了時のお姉ちゃん
 第4次試験会場に向かう飛行船のなかで「うっ、辛気くせーわ!」と言って
 「それではごゆっくり空の旅を~」って言って去っていった人。ハンターだったのか・・。

キルアの家の敷地にいた賞金首ハンター
 敷地内の小屋(ゴンたちが門開けのために修行したところ)で暮らすハンター。
 門番のオッチャンに「いたいた、ビビッちまってそのまま雇われたハンターが」
 と言われていた人。 

リンセン
 クラピカと同じく、ノストラード組に雇われたボディガード。
 ヨークシンオークションで裏口側監視に当たっていた。トチーノやヴェーゼは
 実際にオークションに参加して、フランクリンやシズクに殺されている。

ハガクシ
 ゴレイヌとゴンたちが会食する場面で、「ほかにどんな強いやつがいるの?」
 という質問にゴレイヌが答える場面のコマで登場。

リスト、ドゥーン
 グリードアイランドクリア時に城にいたジンの仲間。

どうです?ここまで細かいキャラを出してくるとは思わなかったので興奮度も高かったです。

しっかしすごい伏線張ったもんですねえ・・・。キメラアント編の突入前から出てきていた
「協専ハンター」や「次期会長候補」という単語がここで生きてくるというわけですね。
この漫画よく見ていないと、そこかしこにネタがしこまれているので、
見ている側も注意深くならないとですね。

さて、ヒソカにイルミが言った「ウチにはもうひとり弟がいる」という言葉。
実は序盤で明かされてたんですねえ。あの写真。
そう、ゾルディック家は「イルミ→ミルキ→キルア→?→カルト」の5人兄弟なのに
いままで4人しか出てきていませんでした。しかしこの「5人兄弟」の設定は
ゴンたちが初めてゾルディック家に行く途中で、ガイドさんが話しているんですよね。

「ゾルディック家は10人家族。曽祖父・祖父・祖母・父・母の下に5人の兄弟がいて
全員殺し屋です。では、これからもう少しだけ山に近づいてみることにしましょう」

このセリフはコミックス5巻、71ページで登場しています。
こんなところの伏線をここで回収しに来るとは、この漫画すごすぎます。

次巻は間違いなく、キルアの弟が登場するでしょう。ウワサに聞いているあの弟が・・。
早く31巻が読みたいですね!早めに出してくれないかなあ・・前みたいに
2巻がほぼ同時発売とか、そういう措置をしてくれてもいいのでは・・。
次に出るのはいつのことやら・・って感じですが(笑)、それでも待てる作品なだけに
我々の心をとらえて離さないんですよね。次巻がまちどおしくてしょうがない!!


PS:チードルさんかわいい。
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