【DS】世界樹の迷宮3 星海の来訪者 レビュー
![]() | 世界樹の迷宮III 星海の来訪者 アトラス・ベストコレクション (2011/08/11) Nintendo DS 商品詳細を見る |
現代版ウィザードリィ、『世界樹の迷宮3 星海の来訪者』レビュー。
今作は、「探索と航海」ができるようになった。
また、町並みや施設、戦闘においても、従来より改良された部分や、新たに加わった点がある。
いままでの世界樹シリーズは、草木生い茂る森といった雰囲気だった。もちろん、今回も最初に探索する迷宮はそれなのだが、波間に浮かぶ海都、アーモロードが舞台。
迷宮の探索だけでなく、大航海へ出発することもできる。
一番のウリであるマッピングも従来どおりに完備。
キャッチフレーズである「想像し、創造する」は今作でも健在だ。
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前作までと変わった点
地図が描きやすくなった
線判定のアルゴリズムが見直され、タッチペンで線を書くときの判定が良化。
これにより、地図がものすごく描きやすくなった。その感覚は実際に試してみてほしい。
航海
従来どおり迷宮を探索するだけでなく、広い海へ船を出し、海図を作ることもできるようになった。
航海に出るには食料が必要(歩数分)で、なくなると町に帰る。
海はまだ海図がない状態なので、自分の船で隅々まで調べていかなくてはならない。
ときには名も無き島を見つけたり、大陸を発見することもあるかもしれない。
それもこれもすべて、タッチペンでマッピングするように海図を書いていくのだ。
航海の魅力は、『漁』を行い、獲った魚に応じてお金がもらえること。稼いで、武具やアイテムを買いこもう。
また、『大イベント』と呼ばれるボスモンスター討伐イベントなども存在する。
「鍛冶」追加
アイテム屋でとある条件を満たすと「鍛冶」ができるようになった。
武器についている「スロット」数の分だけ特殊効果を付与できる。
「攻撃力増加」や「体力増加」、「攻撃時に盲目追加」など、さまざまな特殊効果があるので、
元となる素材を集めて強化しよう。
スキルの使い勝手がよくなった
誰でも覚えることのできる「コモンクラス」が意外に使える。
特に「応急手当」が全員習得可能になったことで、早目に習得させておけば、
回復アイテムのメディカがすぐなくなるといったことがない。
伐採や収穫といったスキルも健在だが、スキルポイントが1に対し1回できるので、
全員が1ずつ覚えれば、そのぶん、多くサバイバルができる。
リミットスキルの追加
今回は複数人で使用する「リミットスキル」が追加された。
ゲージが満タンになると使用できる必殺技だが、前作では1人1人に割り当てられていたスキルが
複数人使用制に変わった。リミットスキルにはスキルごとに「使用可能人数」が決まっており、
その人数分まで同スキルをメンバーにセットすることができる。
リミットの種類はさまざまで、2人同時攻撃を行う「クロススラッシュ」や
HPが0になっても食いしばってHP1で耐えぬく「決死の覚悟」など、特別なものが多い。
うまく使いこなせば、戦闘を一気に有利に進められる。
だが敵は強い
これだけは甘く見てはいけない。いくら応急手当が全員使用可能になったからといって
敵の強さまで弱くはなっていない。ふと知らない部屋に迷いこむと、いきなり強敵が出てきて
全滅するという危険性はこれまでどおりだ。
職業一新
これが一番目に見えて変わった要素かもしれない。そう、すべての職業が新しくなったのだ。
士気を高める「プリンス・プリンセス」、戦士「ウォリアー」、
前作までの「パラディン」に相当する「ファランクス」、追撃が得意な「パイレーツ」、
忍法の使い手「シノビ」、気を使う「モンク」、占星術師「ゾディアック」、獣の王「ビーストキング」、
飛び道具の達人「バリスタ」、樹海探索の名人「ファーマー」といった10種類の新職業が登録された。
さらに物語を進めていくと、新たに2種類の職業が追加される。
ともあれ、多少の変更点はあるにせよ、全体的には前作までとそう変わらないクオリティで
遊ぶことができるので、今作から初めて入った人も安心してプレイできるだろう。
世界樹シリーズの優れている点は、第一作目の時点でシステムがほぼ完成していたという点だ。
これは私が好きなエルミナージュシリーズ(2作目までだが)にも通ずる。
普通のゲームは試行錯誤しながら続編が出るたびに少しずつ改良されていくものだが、
3Dダンジョンの基礎はすでにいろいろなゲームでできていた。
そこに「タッチペンによるマッピング要素」を加えただけで、こんなにも面白くなった。
考えてみれば当然の要望だったはずなのだ。
本家ウィザードリィは、呪文やアイテムを使用したときにしかマップが表示されない。
それが新参者には不便に感じたりもする。呪文やアイテムがなくなれば、自力で帰るしかなくなるからだ。
そこを不親切と感じるユーザーにとって、世界樹シリーズは救世主だったと言える。
エルミナージュシリーズにも言えるが、下画面でマップを常に表示させておくだけで
3DダンジョンRPGへの参入敷居は相当低くなると思うのだ。
私の知人にも3DダンジョンRPGが苦手だという人は相当いた。理由は皆似ていて、
「自分がいま、どこを歩いているのかわからない不安」があるからだという。
これをクリアできたゲームが世界樹とエルミナージュだ。
ちょっとした不安要素を取り除いただけで、多くの人が遊ぶようになった。
敵が強いから、グラフィックがひと世代前だから、そんな理由でプレイを止める人はいないと思う。
オートマッピングされて、それが常に表示される安心感。これこそが近年の3DダンジョンRPGに
求められるものだったのだと感じるのだ。
そんな「ちょっとした安心感」を提供する世界樹シリーズの第三作目。安心して遊んでほしい。
ただし敵は強いので、気を抜くとすぐ全滅の危機になることだけはつけ加えておく。
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