【怖い話】崖の上にいた者たち

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お客さんを無事に目的地へ送り届けた帰り、Aさんは海沿いの道を夜中に走っていました。

そこは北海道にはありがちなのですが、片側が海で、もう片側は崖という道でした。国道なのですが、その近辺は数年前に大きな事故があり、たくさんの方が亡くなった場所だったのです。

Aさんは、こんな道は早く通りすぎてしまおうと思ったのですが、さすがに長距離運転の疲れが出たのか、途中で待避所と呼ばれる休憩スペースに車を停め、休憩を取ることにしました。


ふと、何気なく崖側を見たAさんは


「うわっ！！」


と叫び声を上げてしまいました。

そこには




何十人という男女が崖の壁に立ちながら、海に向かって全員、手を合わせていたそうです。




Aさんは

「ああ…皆、成仏できていないのかな…」

と思いながら、車を発進させました。

事故が起こったのはもう数年前なのに、事故に遭われた方々は未だに成仏できていないのでしょうか。だからこそ、自分たちで手を合わせ、自らの魂を癒やしているのではないか。Aさんは後にそう思ったそうです。