【新日本プロレス】新日本はこれからもっと面白くなる!メイ社長、ジェリコIC・IWGPケニー戴冠…大阪城ホール大会感想

新日本プロレス、2018年上半期の総決算大会となるDOMINION大阪城ホール大会が6月9日、開催された。例年以上に大盛り上がりの大会となり、最後はとんでもない試合となった。
オープニングでは新日本プロレス新社長のハロルド・ジョージ・メイ氏が登場。りゅうちょうな日本語であいさつをした。
最初に「この人、できる…!」と思ったのはその登場のしかた。ダッシュでリングへ向かい、そのままダッシュリングイン。これはプロレスファンならではの行動だ。メイ社長はかなり切れ者だと思った。
そして日本語のマイク。タカラトミーの前社長であり、日本住まいも長いだけあってそのマイクは完璧だった。約10分間、初めてのプロレスのリング上でとちることもなく、スムーズにあいさつを終えた新社長の肝っ玉にも感服した。この人なら新日本プロレスをもっともっと良くしてくれる。僕はそう思った。
■ハロルド・ジョージ・メイ
1963年オランダ生まれ。幼少期は日本・アメリカなどで過ごした経歴を持つ。ニューヨーク大学大学院修了。日本コカ・コーラ副社長、タカラトミーの前社長でもある。
大のプロレスファンとして知られており、2018年に木谷高明氏より新日本プロレスの社長就任要請を受け、6月1日より新日本プロレス社長兼CEOに就任。
さて、そんなオープニングで始まった大阪大会だが、メインはとんでもない試合になった。
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ジェリコvs内藤はジェリコに軍配
この結果には驚いた。自身でヘビーメタルバンド『FOZZY』も持っているジェリコにまさかICが渡るとは。FOZZYの活動もあるジェリコがこのタイミングでICベルト戴冠となると、これは来年のドーム大会にも参戦することだろう。
内藤もよかった。試合前にジェリコに奇襲を受け、場外乱闘をしかけられた内藤はこれまでのファイトスタイルと一変。ジェリコに場外で1回やられたパイルドライバーをジェリコに決め、目から流血しながらも感情を全面に出したファイトで大興奮した。
しかし最後はジェリコに金的を喰らい、レフェリーのブラインドを突いたコード・ブレイカーでピン。IC王座はジェリコの手に渡ることになった。
ICをジェリコが持ったということは、これから王座戦の幅がとてつもなく広がるということ。もしかしたらIWGPを落としたオカダや棚橋との試合もあるかも…そう考えるだけでワクワクが止まらない。だからこそプロレスは勝ち負けだけでは語れないのだ。
ケニー、悲願のIWGP戴冠!
メインは時間無制限3本勝負。IWGPヘビー級選手権試合が始まって以来の試合形式だ。観ているこちら側としても不安が大きかったこの試合形式だが、終わってみれば「やっぱりプロレスラーは超人だ!」という感想を持たずにはいられなかった。
最初の1本目は28分47秒、オカダがケニーを丸めこんでピン。基本の技をほとんどすべて見せた上でのこの決め方は意外性があってうまいと思った。必殺技はまだこの時点ではお互いに決めていない。
2分間のインターバルをはさんでの2本目。19分10秒、ケニーがオカダに片翼の天使を決めて2本目奪取。ここまでに至る経緯はまさに試合終盤からいきなりスタートしたような展開だっただけに、飽きずに観ていることができた。そう、ここまでじつに50分近く経っているのに「飽きなかった」のだ。これはひとえに2人のプロレスラーとしての技量の高さが証明された形だろう。
1対1のタイに持ちこんだ運命の3本目。この3本目も16分53秒闘っている。これが信じられなかった。合計タイムは64分50秒!人というのはここまで長時間闘えるものなのか。それも100キロの大男たちが飛んだり跳ねたりしてこの時間なのだ。スーパー超人だ!と言わざるを得ない。
ケニーにとってはこれが初のIWGPヘビー級の王座戴冠となった。カナダの路上王からインディー団体、そしてメジャー・新日本の頂点へ。悲願だったこのベルトがついにケニーの腰に巻かれることとなった。試合後にはこの日、IWGPヘビー級タッグ王者となったヤング・バックスとも和解。ケニーとYBで2つのIWGPベルトが独占された。
飯伏は当然このベルトをめぐる闘いに参戦してくると思うし、もしかしたら来年のドーム大会でケニーと闘う…なんてビッグドリームマッチも実現するかもしれない。そうなったらもはや夢の対決を超えた試合になる。ぜひとも実現を期待したい。
ミステリオはやっぱり半端なかった
忘れてはならないのが、世界のトップスター、レイ・ミステリオ・ジュニアの新日本プロレス初参戦だった。
入場、そして試合が始まったが、この人はやはり別格だなあと思った。全盛期のWWEでクルーザー級でありながらヘビー級のベルトを巻いた存在であり、43歳となった現在でもその身体能力はトップクラス。ヘッドシザースや619を見ても動きは素晴らしく、見とれてしまった。
ついこないだ、WWEのロイヤルランブルを闘っていたミステリオの身体能力をまざまざと思い知らされた。
上半期の総決算は最高の興行だった
毎年のことながら、大阪城ホール大会はその年の上半期の総決算的な大会だ。カードも出し惜しみすることなく、下半期に向けて一気にスピードアップしてきた感がある。
メイ社長の就任、そしてジェリコ・YB・ケニーの戴冠。外国人勢にベルトがほぼ独占されている状況で世界戦略は一気に加速していくと思われるが、日本人選手も奮起してもらい、さらなる新陳代謝を期待したい。なにせジュニア以外はすべて外国人レスラーなのだから。
しかし面白かった。長時間の興行だったのに、終わってみれば心地よい満足感でいっぱいだった。パソコンで観戦していた僕がそうなのだから、会場組のみなさんはどれだけ疲れた満足感に浸ったことだろう。ちょっとうらやましい。
世界戦略へのさらなるスタートロードとなった今大会。下半期はこれ以上に楽しみな展開が待っていることだろう。
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