【Switch】グノーシア クリア総評 ゲームはシステムとストーリーだと深く考えさせられた名作! - アドベンチャー
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【Switch】グノーシア クリア総評 ゲームはシステムとストーリーだと深く考えさせられた名作!

2022/10/12 編集
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グノーシア


2019年にPS Vitaで発売され、2020年にNintendo Switchで発売された、いわゆる「人狼ゲーム」のオフライン版である「グノーシア」。SF世界を舞台にした物語が展開され、1プレイは長くても15~20分という、短いプレイ時間で楽しめるゲームということで、僕もすっかりハマりました。

このゲームは「ループもの」なので、1プレイが終わると次の周回に入り、役割や登場人物が変わり、記憶もリセットされた状態で新たなプレイに入ります。

グノーシア - Switch


このシステムが秀逸で、「オフラインで人狼をどうやってやるのか?」という問題点をみごとに解決しています。
ほとんどの人狼ゲームはオンラインで楽しむものですので、1プレイが終わったら役割を変えて次のプレイへ…というスタイルを取るのが普通ですが、これはうまいやり方だなと思いましたね。

さて、このグノーシアというゲームはかんたんに言うと

・宇宙船の中に人間を消す生物?宇宙人?が1人(あるいは複数人)まぎれこんでいる。
・その生物?は1日が終わるごとに1人の人間を消していく。
・船の人数の半数をグノーシアが占めた場合、ゲームは終了し、その船はグノーシアのものとなる。
・プレイヤーは「議論」をして誰がグノーシアかを判別し、「投票」によって「コールドスリープ」させる人物を選び、全グノーシアを「コールドスリープ」させれば人間側の勝利となる。


このようになっています。

「役割」がゲームを面白くする


このゲームを面白くさせている要因のひとつに「役割」があります。

役割の一例として

・人間とグノーシアを判別できる「エンジニア」
・コールドスリープさせた者を人間かグノーシアか判別できる「ドクター」
・人間でありながらグノーシアの考えに共感して場を混乱させる「AC主義者」
・グノーシアではないが、宇宙そのものを崩壊させる存在「バグ」
・確実に人間であることを証明できる「留守番」


などがあります。
これらの役割をうまく使いながらグノーシアをあぶり出すわけですが、これがまたうまくいかない…。なぜかというと、このゲームのプレイヤーにはパラメーターが設定されており、それらが低いとすぐに負けてしまうのです。


パラメーターを上げることが勝利へのカギ


「直感力」は誰がウソをついているか見破ることができますが、「ロジック」の数値が低いとそれを皆に信用させるだけの説得力がなくなります。「カリスマ」が高ければ自分の意見に皆を賛同させることができますが、「かわいげ」や「ステルス」が高い相手だと追求をかわされてしまい、グノーシアだとわかっていてもスルーされてしまうことがあります。

この「パラメーター」がクセモノであり、たとえば「ステルス」だけが高いと目をつけられにくくなり、1日の終わりにグノーシアに襲われる確率が低くなります。「影が薄い人」はスルーされやすいですからね。そういった人の特徴を巧みに盛りこみ、オフラインでありながらまるでオンラインで遊んでいるかのような体験をすることができます。

逆にあまりに「あいつが敵だ」とか疑いをかけまくっていると注目されてしまい、消される可能性が高くなります。これは現実でも同じですね。「目立つやつから先に消される」ということです。

ゲームの目的


グノーシアを退治しながらループの解決法を探ることが目的となります。プレイヤーは登場人物のひとり「セツ」と仲が良く、セツはこの宇宙がループしていることを知る、ただ一人の存在です。あなたのパートナーといってもいいのですが、場合によってはセツが敵に回ったりするので、役割によってはそのループでは解決できない問題も発生します。

そうなった場合、次のループに賭けることになりますが、役割によっては自分がグノーシア側ということもあります。その場合には1日の終わりに人間を1人、襲わなければなりません。

たとえ負けてもプレイヤーには必ず経験値が入るので、それを使って次のループで自分のパラメーターを上げ、議論に強くなっていく…というRPG要素もありますので、アドベンチャーゲームでありながら自らの成長を感じられるゲームです。

ストーリー展開が素晴らしい


これはネタバレになるのであまり多くは語れませんが、1人をコールドスリープさせると自由に宇宙船の中を探索して他の人物と会うことができます。そこではイベントが発生することがあるので、それを見ていくことで各人物の「特記事項」が開放されます。要するに「その人がどんな人か」だんだんわかっていくんですね。

しかし、特記事項を開放させていくと相手のレベルも上がるので、議論に勝てなくなっていきます。ストーリーが進めば進むほどだんだんと議論が難しくなり、いくら周りを説得しようとしても逆に反撃をされてしまい、それに皆が乗っかってきて、あっという間に全員から投票されてしまう…といったこともかなり多くなります。

この「ストーリーと議論のバランス」がとても素晴らしく、レベルアップによって勝率がだんだん上がっていくのを実感したとき、プレイヤーはこのゲームの奥深さと快感を味わうことになるでしょう。

すべてのイベントを見るにはさまざまな条件でループを開始しなければなりません。その先にある答えを見たとき、プレイヤーはこのゲームに隠された驚くべき謎とそれにまつわるストーリー構成に感嘆することでしょう。

特に美麗なムービーもなければ3Dで動くわけでもない。いわゆる「紙芝居」的なゲームなのにここまで没頭し、楽しめるゲームがこの時代に出るとは驚きでした。ゲームはグラフィックではなく、システムやストーリーなのだなと深く考えさせられた作品でした。

ぜひ、多くのゲーマーにプレイしてほしい名作です。

関連リンク


グノーシア 公式サイト
グノーシア ダウンロード版 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)
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