【コミック】高港基資 「読者投稿心霊体験」 レビュー
高港基資(たかみなと もとすけ)氏の漫画を読むのは初めて。
しかも、私の大好きな「ホラー漫画」ということで購入。
「読者投稿」と銘打たれていますが、
実際には投稿形式を取った短編集となっております。
全部で14話あり、そのどれもが、氏が得意とする
「生理的な嫌悪を日常的なシーンで起こさせる描写」が
あちこちに散りばめられています。
それでは全14話タイトルと、かんたんな内容をご紹介します。
最後の結末は書いていませんので、あらすじ程度に読んでいただければ幸いです。
ちなみに、私が持っているのは最初に発売された本だけですので、
興味を持ったかたは、ぜひ、ほかのシリーズも読んでみてください。
「こういう感じなのか」と思っていただければ幸いです。

表紙にもなっている心霊写真撮影秘話。
鉄道好きの男がある日、鳥居に続く参道を横切る形で
線路が敷かれているのに気づく。
彼は「鉄道マニア」の心を抑えきれず、その場で写真を何枚も撮ってしまう。
それから男の周りには、絶えず不可思議な現象が・・。

土山君は、写真を撮られるのをとても嫌がる。
彼がこうなったのには、高校時代に起こった
ある忌まわしい出来事がきっかけだった・・。
彼はこう話す。「あの女の顔を絶対に見てはならない・・」

新車が信じられないような値段で売っていた。
事故車では?と彼は疑うが、車屋は否定する。事実、その車は事故車ではなかった。
商談をするために、事務所内に行った彼の目の前に清酒が置かれた。
清酒は確かにうまかった。
彼はその車を購入したが、その日以来、車内に異変が・・。

ある夏の日、関西在住の漫画家の体験話。
彼はバイク仲間と、「自殺の名所」へツーリングに行った。
そこは自殺の名所として有名な場所だったが、日本海が一望できる場所でもあったからだ。
彼らは、人がたくさんいる展望台で写真を何枚も撮った。
帰ってきてから、仲間の目の前に、幽霊が現れるようになり・・?

あるアパートに引っ越した男。
彼は引越しの際に、部屋の一角にある窓が塞がれていることに気づく。
その窓からは、小学校のグラウンドが一望できた。
塞いでいた板を取りはずし、久々に開けはなたれた窓。しかしそれ以降・・・・。

バイク事故で重傷を負った男が、彼の隣のベッドに運び込まれた。
幸い、仕切りのカーテンで隣は見えなかったものの、
看護士いわく「運び込まれたとき、人間の形してなかった。」
隣の男はしきりにバイクの話をする。
カーテン越しに続けられる、隣のベッドの住人との会話。
ある日、バイクが廃車になったことを知らされた男は逆上し・・・。

元旦。今井とその仲間たちは、初日の出を見るために
「自殺の名所」にツーリングに行く。
そこで今井は「投身自殺者の視点でビデオを撮ろう」と言い出す。
彼らは止めるが、今井はお構いなく撮影を敢行。
どう考えてもバチ当たりな彼の行動は、やがて彼自身に返ってくることに・・。

子供のとき、幽霊を見たという女友達を連れて、彼は大学の研究室へ向かう。
「逆行催眠」を研究している助教授に会うためだ。
その方法を用い、彼女を幽霊が見えた時代まで逆行させるという。
しかし、ふとしたことから、助教授と言い争いに。
「幽霊なんているわけない」と彼は言うが、助教授はこう主張する。
「ほぼ100%の人間は、乳児期に何らかの形で幽霊を見ている。」
彼はその言葉を信じず、自らを逆行催眠にかけてくれと頼み
乳児期へ逆行することに。そこで彼が見たものとは・・。

ある夜、男は道端を歩く傷ついた女を見かける。
その日以降、女はどうやって見つけたのか、しつこく男の住まいを訪ねてきた。
数日後・・家の前で女が首吊り自殺をしていた。
しかし、真に恐ろしいのは彼女の両親だった・・。

知世は、田舎の祖母の家に泊まりに来ていた。
真っ暗な夜道を祖母と2人で歩いていると、前から人が来る。
知世は口をきこうとするが、祖母がさえぎる。
「いいか、ワシがいいと言うまで、黙って歩くんじゃ。」
知世は、どうしてその人と口を利いてはいけないのか尋ねると
「人ではない。ヨビトじゃ。あれと口をきいてはいかんのじゃ。」
ヨビトとは何者なのか・・・・。

ストーカーに狙われ続ける彼女。
手紙を何十通も送り続ける男は、完全に常軌を逸していた。
実家へと逃げ帰った彼女の家の前に、毎日、サラミのようなものが
置いてあるのが見つかる。父がその「サラミ」を全部集めて調べたところ・・。

高給のバイトを探していた男が見つけたのは
事故で不自由になった息子の話し相手になってやってほしいという
父親からの仕事だった。
「かわいそうに。タカオは事故で体が不自由になりまして。」
通された部屋にいた息子は布にくるまれており、姿はうかがえない。
疑問を抱きながらも、毎日話し相手をつとめる男。
ひょんなことから布の中身を見てしまうことに・・。

動物実験に反対する動物愛護団体の集団が、製薬会社に抗議を行ってきた。
社長が応対し、彼らを応接室に案内すると、突然、実験用の動物を部屋に放つ。
襲われた愛護団体の連中は、矛先を会長の娘に向け・・。

彼女は万引きをしてしまい、学校と親に通報されてしまう。
そのせいで、彼女だけ旅行は中止。留守番をいいつけられた。
突然、玄関のチャイムが鳴り、男が怒鳴る。
「お宅のピアノはひどい状態だ!ほとんどの音が半分以上狂っている!
お願いだ!調律させてください!」
その男は「絶対音感」を持つために、彼女が弾いていた
ピアノの旋律に我慢ができなくなり、おしかけてきたのだった。
その異常とも思える「調律」への執念が引きおこした最悪の事態とは・・。
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